By: kiritozhang

Farsportsが自社ブランドの最初のホイールセットをリリースしてから3年が経ちましたが、現在では第3世代ホイールセットを更新しました。
新製品はまだVentouxシリーズに含まれていますが、「Cシリーズ」ではなく、より高レベルの「Sシリーズ」です。 SシリーズとCシリーズの違いは、Zipp NSWとFirecrestの違いに似ています。

スポークが互いに衝突するのを防ぐために、新しいホイールセットは梱包箱に平行に配置されます(ホイールを購入するときにタイヤが付いていません)

今回はチューブラーバージョンで、これが私の3組目のFarsportsホイールです。私は常にチューブラーのファンですが、Farsportsの第2世代ホイールセットVentoux Cシリーズのチューブラーバージョンの選択肢はないため、少しがっかりしています。
チューブラーウェイトの優勢は何か?実際には、チューブレスおよびトップクラスのクリンチャータイヤと比較して、重量と転がり抵抗の優勢はなく、取り付けも複雑ですが、チューブラーリムはチューブレス/クリンチャーリムよりも数十グラム軽く、これは慣性モーメントを考慮すると小さな違いではないため、より良い加速感をもたらすことができます。
Ventoux Sシリーズの断面はCシリーズと同じですが、リムの高さが異なります。C3は前輪35 mm/後輪40mm、C5は前輪45 mm/後輪50mm、一方、Sシリーズは前輪と後輪の高さが同じです。Ventoux Sシリーズは三つの仕様を提供します:S3(35mm)/S4(45mm)/S5(56mm)。細分化されたリムの高さは、クライミング/オールラウンド/フラットと見なすことができます。
Sシリーズのリム、ハブ、スポークはCシリーズとは大きく違っています。決して単純なカーボンスポークのアップグレードバージョンではありません。

最も魅力的なのはカーボンスポークですね。中国では自己設計されたカーボンスポークは非常にまれです、そして、カーボンスポークをお使うのを恐れてなライダーはいます。Sシリーズは、Lightweightなどの完全に一体化されたクレイジーなフルカーボンホイールとは異なります、カーボンスポークは、横方向にクラッシュすると非常に壊れやすく、完全に一体化されたホイールは、クラッシュしたカーボンスポークを修理することはほとんど不可能です。Sシリーズは、ハブ、スポーク、リムが分離された従来のホイールセットですが、T302ステンレス製スポークの代わりにカーボンスポークが装備されています。したがって、破損したカーボンスポークを交換し、ホイールを再調整する方がはるかに簡単です。

他の中国の工場も以前にカーボンスポークを生産しており、そのカーボンボディとアルミニウム合金ニップル(ハブ側)は樹脂で結合されています。この種のカーボンスポークは、樹脂の老化による分離のリスクがあるため、大量生産されていません。Ventoux Sシリーズのカーボンスポークは樹脂を使用せず、代わりにスポークの端とニップルの両方にテーパー表面を使用します。Ventoux Sシリーズのカーボンスポークは樹脂を使用せず、代わりにスポークの端とニップルの両方にテーパー表面を使用します。理論的には、リムとハブの張力がかかった状態で非常に強固な接合部となり、樹脂老化の心配もありません。CADEXホイールセットのカーボンスポークは同様の技術を使用していますが、ジャイアントはこの点についてあまり宣伝していません。
カーボンスポークの優勢は何か?すべてのブランドは、カーボンスポークがより軽いことをあなたに言っています、それは間違いなく真実です。Farsportsは、従来のスチール製スポークよりも34%軽量であると主張していますが、どのスチール製スポークのが説明していません。さらに、カーボンスポークの引張強度は、その性質によりT302スポークよりもはるかに高くなっています。2000Nの張力に耐えることができるスチール製スポークはほとんどありません。また、一部の鋼のスポークは、一定の高張力下で横方向の剛性を増すことなく長く伸ばされるだけです。それに比べて、カーボンスポークは3000Nを超える張力に耐えることができ、引張変形ははるかに少なくなります。カーボンスポークのこれらのすべての物理的性質により、ペダリング時に軽くて硬く感じられます、他のカーボンスポークホイールセットを試してみたときにすでに感じていました。

改善されたものはカーボンスポークだけではありません。リムについてもっと驚ぎことがあります。リムの表面とロゴに新しい処理方が使用され、以前使用していたステッカーの代わりにデカールを初めて使用できるようになりました。セラミックのリムのブレーキ面の処理は第2世代にアップグレードされ、CampagnoloのAC3のように溝が刻まれました。これは、ドライとウェットの両方でのブレーキ性能と、リムのブレーキ面の寿命の包括的なアップグレードです。

ニップル(リム側)は、カーボンスポークが太いため、リムベッドの非穴構造には大きすぎるため、チューブレスタイヤにはテープが必要です。チューブラー用の溝は、チューブラーのインストールため最適化されています。チューブラーの取り付けと調整に多くの時間を費やす必要はありません。取り付け後に少し空気を入れると、チューブラーが簡単に調整されます。

ハブには新しい形状があります、そして穴数もCシリーズとは違う:フロント16本とリア21本。
Sシリーズのリアホイールは21本のスポークが2:1でランシングし、Cシリーズのリアホイールは24本のスポークが2:1でランシングされ、パターンもわずかに変更されます。
Sシリーズの後輪は、組み方は2 : 1で21本のスポークで、Cシリーズは同じ2 : 1で24本のスポークです、組み方はわずかに変えられました。リアハブのスタイルは角のある形になっています。カスタマーサービスをする時に必要な工場コードは、非駆動側のフランジにレーザー印刷されています。
リアハブの非駆動側とフロントハブの両側は、完全に密閉されたカバーで保護され、カーボンスポークの合金端を隠して、見た目を良くし、汚れによる汚染の可能性も減らしています。ホイールの修理が必要な場合は、リム側のニップルを調整する必要があります。そのため、保護用カバーの影響はないです。

一部のライダーは、古いFarsportsホイールのフリーハブの防水性が良くないと報告しています。これは、実際には中国本土と台湾で設計および製造されたハブの一般的な問題です。その原因はフリーハブの密封構造を簡略化し、重量を削減することです。したがって、新しいS4のフリーハブは、迷路防水構造を導入することで、より高い防水レベルを持つように設計されています。
フリーハブには噛み付き防止の鉄片がありますが、長時間使用しても少し噛まれますので、機能上の問題はありません。噛み付き防止の面では、スチール製のフリーハブは、アルミ製のフリーハブよりも優れていますが、重量がかかります。こういう場合、チタンのフリーハブが欲しくなってしまいますよね。

カーボンスポークは普通のスポークより太いため、ハブのフランジは、以前よりも厚くなり、WRが小さくなります。それに、SシリーズのリアリムはCシリーズで使用されている非対称リムではないため、スチールスポークが装備されていればホイール横方向の剛性は多分小さくなるんでしょう。
チューブラーを使用している場合、タイヤ空気弁とリムの衝突によるきしみ音に悩まされでしょうか?この問題について、安いが美しくない3Mテープ、または高価だが美しいバルブカバーを使用して問題を解決できます。

Farsportsの旗艦であるVentoux Sシリーズには、わずかなアクセサリーしか付属していません:1組のロード クイックリリース、2組のブレーキパッド、10速用のスペーサーしか含まれていません。チューブレスバージョンには、チューブレス用の空気弁1組が含まれていますが、チューブラーバージョンには空気弁の異音防止パッチがありません。私の意見ではSシリーズのアクセサリーは少ないすぎます。同じ価格の大手ブランドのホイールセットには、マニュアル(ただし、誰がそれを徹底的に読むのか)とステッカーが含まれます。

乗り心地:
Ventoux S4チューブラー。45mmのリムの高さはC5の45/50コンボに似ていますが、重量ははるかに少ないです。S4チューブラーバージョン公式重量は1205gが、自分の量るでは1190gでした、S4 CS(Ceramic Speed bearings)チューブラーバージョン公式重量は1175g、それほど違いはありません。以前試したことがあるS4 CSチューブレスバージョンは1365gで、C5 CSチューブレスバージョンは1490gでした、S4チューブラーはそれらと比べると、決して小さくない重量差です。
チューブラーホイールとチューブレスホイールの重量にそんなに大きな違いはありませんが、Sシリーズのハブはより重いため、リムとスポークはC5 CSチューブレスからS4チューブラーまで300g以上軽量化されました。このような大きな慣性モーメントの違いにより、加速時にS4チューブラーはチューブレスC5 CSよりもはるかに優れたものになります。登るとき、S4チューブラーはより軽やかであり、ギアが一段や二段小さくなっても行けるように感じます。高さ45mmのホイールセットは、登るときに高さ35mmのホイールセットよりも気分が良くなっている、それはほんとに大きな違いです。もしあなたが高出力を維持できれば、S4チューブラーで山を登ることに問題は全然ありません、万能なホイールセットにも言えるでしょう。
FTPが200W未満の友人にS4チューブラーを貸したことがあります。C5を使って小さな丘を登っていた時に、彼は時々サドルから離れ,立ってペダリングをする必要がありました。相対的、S4チューブラーを使って登と、彼は自分のサドルに着実に乗ってペダリングをする余裕ができて、驚いていました。
S4によってもたらされる軽やかな感覚は、ペダルを速くしたり、小さなギアに切り替えたりすることができます。しかし、それはあなたが高出力を維持できる必要があります、さもなければあなたはすぐに疲れ果てます。私から見ると、山に住んでいない場合、または登山ルートのスロープが10%以下の場合、S4チューブラーでを使うのは全然問題ありません。もしより早く坂を登りたいなら、S3を選ぶの方適切でしょう。もし平らなコース、時速40キロ以上、短距離走りで50キロ時を超える場合は、S5が適しています。S4とS5 は、ZIPP 303と404のようなものです。(“It’s funny that ZIPP claims its 404 as the all-round, which who has ridden on all knows that they are noodles.”原文のこの評価はひどいな)

速く走り、それからよくブレーキをかける必要があります、じゃないと病院で目覚めるかもしれません。Ventoux Sシリーズに関しては、ブレーキ性能の改善が最も顕著なものです。第二世代のセラミックのブレーキ面は面を斜めに走る溝と組み合わせて、ドライとウェットの両方でブレーキ性能を高くします。
ブレーキ性能について言えば、私が試したホイールの中で、新しいENVEとZIPPだけがVentoux Sシリーズよりも優れています。 私は、UNAASホイールのブレーキ性能は乾いた状態では良好ですが、濡れた状態でも問題ないことを述べました。現在、Ventoux S4はUNAASを超えたもう1つのステップです。Farsportsは、第2世代のセラミック処理されたブレーキ面の寿命が長いと主張しましたが、自分は、雨の日や砂の道を含む私の乗車中、大きな傷はありませんでした、好評。

雨の日には、ブレーキ面に水がたまることがあります(遠心現象)。 これで溝が排水溝として機能し、トラックの濡れが少なくなり、ブレーキパッドとブレーキ面間の摩擦が改善されます。 溝が深いほど、排水が効果的で、寿命も長くなります。 CampagnoloのAC3の溝は、S4の溝よりもずっと浅いです。

DTみたいに、ツールを使用せずCシリーズのフリーハブを取り外すことができます。 簡単ですが、Cシリーズのハブにはちょっとゆるいため、カセットスプロケットを取り外す時は一緒にフリーハブを外す可能性があります。対して、Sシリーズフリーハブのカバーを取り外すには、2つの5mmレンチが必要です。このメンテナンスしやすい構造が好きです。ハブを完全に取り外すには、14mmの六角レンチが必要です。これは、六角レンチセットの一般的なサイズ(1.5-10mm)ではありません。 車軸の六角溝は浅いため、注意してください。溝を簡単に損傷する可能性があります。

雨の日も何回か乗りましたが、中のグリースはまだ新鮮です。 防水性は、以前のFarsportsのハブに比べてかなり改善されていますが、メンテナンスは必要ないわけではありません。 ただし、フリーハブを取り出すときは注意してください。爪の制限はなく、爪自体が脱落する可能性があります。

以前に報告したVentoux Cシリーズのリムには排水穴がなく、排水穴は必要かどうか今もまだ議題ですが、 Sシリーズのリム同じく排水穴がありません。 Campagnoloや Zippなどの排水穴を持たない大手ブランドもあれば、DT Swiss、Vision、Shimanoなどの排水穴を持ている大手ブランドもあります。 最近は梅雨の季節です。家の中でスマートトレーナーに乗るのは嫌なので、雨の中でライディングとトレーニングをしていました。 そのため、雨に乗って自転車を洗った後、ホイールセットの重量を再度測定しました。重量は約15g増加しました。フロント796g> 799g、リア939g> 951gです。 (重量にはタイヤが含まれます。)15グラムはそれほど多くありませんが、一部のライダーにはそれは放っておくことが出来ないものです。

カーボンスポークの引張強度が高いため、すべてのカーボンスポークホイールセットは同じ感覚を与えます:硬い過ぎ! 一体化されたカーボンスポークホイールではありませんが、Farsportsはスポークの張力詳しく説明しでいない、素材が異なるため、通常の張力計で測定することもできません。 このホイールセットにはContinental Competitionチューブラーを配備され、90 / 100psiに設定しました。 同じpsiで他GP5000を配置されたホイールセットに比べ、Sシリーズの方が硬く感じます。 平地では問題ないですが、下り坂では少し凹凸があれば、車輌のコントロールはちょっと難しくなる様な感じがします。 よりうまく振動を吸収するために、ラテックスチューブまたはチューブレスバージョンをお勧めします。

以前、私が試したVentoux C5 CSチューブレスのはUSD 1199で販売されていますが、Ventoux S4の価格もほぼ同じです。私が1つを選ばなければならないなら、それは間違いなくS4を選ぶでしょう。
CSベアリングは確かに役立つんですが、実際、それほどの差はないです。たとえば、Campagnolo bora oneとbora ultraにはベアリングの玉しが異なりますが、価格の差は400USD以上。限られた生産費用で、リムとスポークの改善をする方が買い価値があると思います。
長所:優れた加速、優れた制動性能、軽量。
短所:壊れやすいカーボンスポーク、硬い過ぎ感じ、アクセサリーが少ない。